鉱山で使われたプラスチック管を、ヒメフクロネコ(Dasyurus hallucatus、英名Northern Quoll)の隠れ場所づくりに生かす試みを、ECOticias.comが2026年10月5日付で紹介しました。管を利用した人工巣穴では、動物の出入りが確認されています。元の研究は同年4月20日に学術誌『Pacific Conservation Biology』で公表されたもので、今回の記事は過去の試験結果を取り上げています。
公開要旨によると、研究は鉱山で手に入る高密度ポリエチレン(HDPE)の管を、廃石を積み上げる場所の設計に組み込んだ小規模な実証試験です。遠隔カメラと足跡を記録する面を使い、ヒメフクロネコが人工巣穴に出入りしたことを確かめました。
埋めた巣穴内では、調査期間中の最高温度の平均が33.6℃、最高湿度の平均が62.1%でした。著者らは自然の巣穴と似た条件だったと報告しています。これらは最高値の平均であり、一日中その温度や湿度に保たれたという意味ではありません。
著者らは、温度変動を和らげるには十分な管の長さと埋設深度が必要としています。効果や適切な設計・配置を確かめるため、条件を変えて繰り返す試験も求めています。ECOticias.comも、出入りの確認だけでは繁殖成功や個体群の回復を実証したことにはならないと説明しています。
豪州政府はこの種を連邦環境法(EPBC法)上のEndangeredに位置付け、オオヒキガエルを食べることによる中毒、野生化したネコによる捕食、火災などを主な脅威として挙げています。今回の試験で得られたのは、人工の隠れ場所を検討するための手掛かりです。繁殖や長期的な保全効果は今後の検証課題として残ります。
本稿は原記事と論文の公開要旨に基づきます。調査の実施日や巣穴・個体の数など、閲覧できた資料から確認できない詳細は扱っていません。